デッキ材を長持ちさせる為のポイントなど
l 腐朽菌の胞子は、雨水と一緒に活着し、その活性に絶対必要な4大要素うちの温度、栄養、酸素は人為的に調整できないので、最後の水分を極力あたえないように、常にすぐ乾いた状態にもどるようにすることがデッキを腐らせず長持ちさせる一番の方法です。雨などに濡れてもすぐ乾いて行く環境に保つことが大事です。逆に腐朽菌にとってもっとも住みよい乾かない環境とは、風が通らない環境で、密着面などです。深いひび割れなどがあると、その奥は風も入らず、やはり相当期間乾きません。また木口は繊維の断面が出ているため水を奥まで吸いやすく、乾きにくい部分です。乾かずにいつまでも湿気た状態で置いておくと、やがて腐朽菌が繁殖をはじめ、木は腐りだします。腐りだすと、木はスポンジ状になり、さらに内部深く水が浸透していきます。内部まで入り込んだ水はなかなか乾かず、次の雨でまた濡れます。もはや乾くことがなくなった木材の内部で腐朽菌の繁殖の勢いが増していきます。雨ざらしで地面に放置したら半年〜1年くらいで、地面から離しても2〜3年で木口から腐り始めるというのが一般的な木材腐朽経過です。
l デッキの場合、最初の腐朽菌の活着は、ほとんどの場合、乾燥と湿潤による、膨張と収縮で干割れが始まり、そこに雨水などの水分がたまって乾燥しにくくなった部分から始まります 。割れの部分に撥水コーキングをしたり、保護塗料などの上塗りも有効な腐朽防止になります。
l 滑り止めなどのために、デッキの水平材に溝をつけたものが見受けられますが、これは人工的に干割れを作ったのと同じで、溝の底部で、腐朽菌を培養する結果となります。この表面全体の溝きり加工は、又、靴などとごみや砂との摩擦でおきる表面の削れにも弱いので、塗装のはげる原因でもあります。これで、水勾配が取られていなかったり、小口面に隙間をあけてない場合はさらに加速されてしまいます。
l 床面の水平材には、1度くらいの水勾配をとります。
雨水などのぬれた後の乾きやすさに歴然と差ができます。
l 束柱をおかない場合でも、コンクリートの上に根太などのじか付けをすると、床板内部で湿気の滞留をおこしてしまうので、してはいけないのはもちろんのこと、最低50cmは上げてください。
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床板は雨水が落ちやすく、風通しの良い目透かしの幅をとってください。
9〜12mm位
l 床板の小口面の接合部分に十分な隙間をとっていない場合は、 (例えば幕板などで密着させた場合)滞留した水分が導管現象で小口面からから内部まで浸透しやすく、乾燥しにくい状態となり、含水率が20%以上になり、もっとも腐朽が始まりやすい条件となってしまいます
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l 床板など水平材は、そりが生じても材の中心に水が残らないよう、木裏を表にして使う方がよいです。通常見栄えを気にして、逆にしてしまいがちですが、デッキの場合は、間違いです。
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雨に一度濡れた可能性のある材は使用しないようにしてください。
通常内地材、外材とも、伐採後から製材までの間に、かなりの時間がどば置きとなる場合が多いので、その間に切断面に着床した腐朽菌が木材の含水率が20〜30パーセント前後に落ちた時点で、活性し、菌糸を木材内部に浸出させますが、製材、乾燥過程で生き残ったものが、スポット的に材の中に紛れ込む例が往々にしてあるようです。特に、これは、除湿乾燥法および、天然乾燥法に顕著で、熱気乾燥法は、材内部の調節温度により、又高周波減圧乾燥法では、ほとんど死滅する事が解っております。
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地面から50cm以上の高さをあけるようにしてください。
通風や換気など湿気を防ぎ、シロアリなどもつきにくくなります。
l 床板は厚さを35mmから40mmの材にします。
l 金物は、全てステンレスかアルミ製のものを使用し、鉄製を使用しないようにする。
l 金物に、結露が生じないような構造を考える。
l ステンレスビス等の頭がデッキ材ときっちりそろうようする。デッキ材水平面より深くすると、水分が滞留しやすく、腐朽の原因となりやすくなります。
l デッキの場合は、大工さん等がするホゾ切りや仕口加工等は使用できません。仕口には水分が滞留しやすく、腐朽の原因となりやすくなります。
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幕板は極力はらないほうが良いです。
はる場合は、密着して水分が滞留しないように、隙間をあけるようにします。
l 床の水平材の継ぎ目部分などの「バリ」をあらかじめ削ってきれいにしておき、誇りやごみが継ぎ目どうしの間に入り込み、水分の滞留が起こらないようにして下さい。
l 束柱などの垂直材は、直接地面に接したり、コンクリートから湿気を吸い上げたりしないよう、アジャスター、クツ金物などや、パッキン等で縁切りをして下さい。
l デッキの上にプランターや鉢など湿気を滞留させるものは置かないほうがよいです。
l 塗装後の再加工時には、再塗装してください。
l 根太と床板、支柱と笠木・横木など部材の間の隙間に水分が滞留しないように施工してください。
l 記録では関東でデッキ表面が50度以上になる日が年間140日あったように、布やテントなどで、日差しをさえぎることも、紫外線による光劣化や、乾燥収縮から守る有効な手立てのひとつです。
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樹齢8年から10年などの未成熟材は使わないほうがよいです。
未成熟材特有の髄を含んだものは、そり、割れの原因となりやすいので。
l 水切りから水分が回ってくるような、サッシの下、雨戸の下などに、床の水平材を取り付けないようにしたほうがよいです。
l デッキ下の地面には、水勾配をつけた土間コンかPC板などで遮蔽して湿気があがらないように気をつけてください。
l 杉の場合は、黒心材が赤心材より有利とされます。
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心材のみを使う
木材を選ぶ際に、よく言われるのが、強い材と弱い材があり、値段が随分違うので、選択が難しいことです。但しこれは、赤身の心材の部分にある、フラボノイドや、テルペン等の抽出物質の働きによるものですので、白身の辺材部分を使う場合は、腐朽菌にとって、糖類やデンプン、アミノ酸等の栄養がたっぷり存在していますのでほとんど差は出てこないと言われています。木材を選ぶ際に、よく言われるのが、強い材と弱い材があり、値段が随分違うので、選択が難しいことです。但しこれは、赤身の心材の部分にある、フラボノイドや、テルペン等の抽出物質の働きによるものですので、白身の辺材部分を使う場合は、腐朽菌にとって、糖類やデンプン、アミノ酸等の栄養がたっぷり存在していますのでほとんど差は出てこないと言われています。
樹種の耐腐朽性能と選択
[心材部分を使用した場合の各樹種の強さ]
耐腐朽性能が極大のもの(心材部) |
レッドウッド、イピール等 |
耐腐朽性能が大のもの(心材部) |
ベイスギ、ベイヒ、ヒノキ、ボンゴシ、イペ、ユーカリ、パラウ、ヒバ、ケヤキ、クリ等 |
耐腐朽性能が中のもの(心材部) |
カラマツ、杉、ベイマツ、ケンバス、イチイ、シラカシ、ナラ、カヤ、クサマキ、カツラ等 |
耐腐朽性能が小のもの(心材部) |
ベイツガ、モミ、アカマツ等 |
耐腐朽性能が極小のもの(心材部) |
エゾマツ、スプルス、ブナ等 |