よく聞かれるご質問とお答 え
Q:
一般的に、何も塗らない杉、ヒノキ材等の耐用年数はどのくらいか?
Q: デッキ等外構材で10年持たせる為には、どんなメンテナンスを行えばよいですか?
Q:
今までヨットやカヌーでの実績はありますか?シーカヤックでは使用できますか?
Q:
欧米での長期間の実績がある樹種には何がありますか?
Q:
12年間の埋杭試験の写真以外のデータはありますか?
Q:
針葉樹と、広葉樹ではどんな違いがありますか?
Q: 桧やレッドウッドの集製材でデッキを作る際、ウッドロングエコを使用できますか?
Q: ウッドログエコ塗布乾燥後に他の木材保護塗料を塗装しても問題は有りませんか?
Q:安いSPFツーバイ材でも大丈夫でしょうか?
Q: デッキのバーゴラ部分ですが、水玉型のまだらに塗装が剥げている感じがします。
Q:デッキの水拭き掃除で色が変わった部分ができたのですが。
デッキを作る際の注意点は?
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1. Q:一般的に、何も塗らない杉、ヒノキ材等の耐用年数はどのくらいか?
A:杉材につきましては、別紙にお付けしております、「
木材と塗料を選択する際の設計資料
」の2ページの表にありますように、耐腐朽性能が中、またヒノキ材は、耐腐朽性能が大に分類されておりますが、これはあくまでも各樹種の大計木心材のみを使用した場合ですので、写真で拝見させて頂きましたような辺材の場合には、すべて、耐腐朽性能が小、または極小の設計に入ります。
木材を選ぶ際に、よく言われるのが、強い材と弱い材があり、値段が随分違うので、選択が難しいことです。但しこれは、赤身の心材の部分にある、フラボノイドや、テルペン等の抽出物質の働きによるものですので、白身の辺材部分を使う場合は、腐朽菌にとって、糖類やデンプン、アミノ酸等の栄養が存在していますのでほとんど差は出てこないと言われています。
一般に、木材の耐腐朽性能は、木の樹種、辺材か心材か、又、接地か非接地か、日本の木材腐朽危険度マップのどの地域での使用か、また、木材の含水率に大きな影響を与える風とおし、日のあたり具合、雨水が滞留するかどうか等の施工状況など、様々な条件により、大きく変化致します。
外構木材に辺材を使用した場合の耐用年数は、別紙にお付けしております、「
木材と塗料を選択する際の設計資料
」の1ページの「2.使用環境評価の条件を推定する」にありますように、その条件により1年から5年と様々な結果が出ております。
条件を決める要素としては、温度、栄養、酸素、水分の4つがあります。木材を劣化させる腐朽菌の胞子は、雨水と一緒に活着し、その活性に絶対必要な4大条件のうちの温度、栄養、酸素は人為的に調整できないので、最後の水分を極力あたえないように、することが耐用年数を長くする為の一番の方法と言われております。深い干割れや、節まわりの割れなどがあると、その奥は風も入らず、やはり相当期間乾きません。また木口は繊維の断面が出ているため、導管現象で水を奥まで吸いやすく、乾きにくい部分です。乾かずにいつまでも湿気た状態で置いておくと、やがて腐朽菌が繁殖をはじめ、木は腐りだします。腐りだすと、木はスポンジ状になり、さらに内部深く水が浸透していきます。内部まで入り込んだ水はなかなか乾かず、次の雨でまた濡れます。もはや乾くことがなくなった木材の内部で腐朽菌の繁殖の勢いが増していきます。通常、雨ざらしで地面に放置したら半年〜1年くらいで、地面から離しても2〜3年で木口から腐り始めるというのが一般的な木材腐朽経過とされております。
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2. Q:デッキ等外構材で10年持たせる為には、どんなメンテナンスを行えばよいですか?
A: まず、ウッドロングエコを塗布すれば、何年持つかとよく聞かれる点について、先に少しご説明させていただきます。
ご承知のように、木材塗料には、一般的に防腐塗料と耐候塗料と2種類がございます。ウッドロング-ECOは、後者の耐候塗料に属します。防腐塗料の場合は、JISK-1571という試験規格がありまして、腐朽菌を殺すか活動を停止させる作用と、表面をコーティングして、耐水性を有しておらねばなりません。このウッドロング-ECOは、天然物由来ですから全く無害ですので、腐朽菌を殺す作用ではなく、忌避反応を生じさせて、木材内部への浸透と活性を防ぐものです。
別紙にお付けしております、「
木材と塗料を選択する際の設計資料
」の5ページ目にあります、各製品例の中では、キシラデコールやオスモカラーなどと同じ分類の、木材表面処理用含浸型塗料に分類されます。ただし、この製品は、水で粉末を溶かして簡単に塗れる点や、化学成分が入っていない天然物由来のみで構成されているという安全性と、顔料や金属成分などを含む着色塗料ではなく、色の変化は、天然物による木材表面への大きなしみと同じことになりますので、樹種などにより、色は変化するという点が特徴です。
本製品は天然物ベースで、加圧注入と違い、表面塗布の含浸型塗料ですので、上記の条件により違いが出てまいりますので、一概にこれを塗れば何年もつと言うことはなかなか断言できません。加圧注入などの化学的な防腐剤ですと、空中に浮遊している腐朽菌の胞子が木材表面に活着して、菌糸を伸ばしても、細胞が殺されてしまいますので、多くの場合は内部に侵入できませんが、この製品は含浸型表面塗料ですので、様々な天然物の配合で、表面に忌避反応を生じさせております。
ウッドロングエコを塗布した木材は、欧米では数十年の実績がありますが、日本では、まだ7年ほどです。カナダのファミリーからは、「本製品の特徴でもある無害で天然物ベースで構成されているという性質上、木の生長速度が速い国では、腐朽サイクルも速く、成長が遅い国では、その腐朽サイクルも遅いという、地球が数億年単位で植物の循環生態系を育んできた、土に返すという環境の仕組みから、まったくはずれる事ができるとは考えにくいと思われます。又、通常の加圧注入防腐剤のように、強制的に腐朽菌を殺したり、木材表面からの水分の浸透を許さないコーティングを施すタイプの造膜型防腐剤のカテゴリーではなく、ステン・ペンキ等の分類に入る天然物ベースによる保護塗料ですので、効果の現れ方、又効果の存続期間などは、その国の気候や環境、又施工の場所の条件などにより、当然差異が現れてくると考えられます。」とのメッセージが添えられております。
直近の耐候促進試験の結果では、白色腐朽菌に対しては、質量減失3%以内の木材防腐剤の基準であるJISK1571と同等の効果があり、褐色腐朽菌に対しては、質量減失30%で、同基準に至りませんが、無塗布の試験材と比較して、経時的に約2.2倍腐朽を遅らせる効果が認められています。(除溶脱過程)木材腐朽菌の多くは、担子菌きのこ類で、空気中の胞子が材表面に活着し、10ミクロン程度の肉眼では見えない、菌糸となり木材の細胞壁孔などから、内部へ侵入し、材内部から腐朽させていきます。スギ、ヒノキ、マツ類、モミ類等の針葉樹を主に腐朽させる褐色腐朽菌が、日本には約70種類ほどあり、日本、インド、フィリピン等に分布しています、椎茸やえのき茸等なじみのある白色腐朽菌は、主に広葉樹をすみかとして、600種類以上あります。現在までの長い実績は、主に欧米の高緯度地域で、又上記3国以外でもあるので、日本での場合は、建築用材に主に針葉樹を使用することを勘案して、何も塗らない木材に比較して、最低で約2倍位の目安を考えて頂けたらと思います。ただし、上記にもありますように、無塗布でも1年で普及する条件の場合と5年まで持つ場合など、その条件により様々な事例が報告されております。
本ホームページにも今までの、
腐朽した例
などを載せていますので、ご参考に御覧頂けましたら幸いです。
メンテナンスにつきましては、「
デッキ材で長持ちさせる為の要点
」を、ご参照くださいませ。デッキ材の場合、干割れや、節まわりの割れ、ボルトや釘、木ねじ等の頭部のへこみなどが、周囲より長く湿った状態になっていないか、色が薄く抜けている部分や、変色している部分などが無いかどうかや、また水分の滞留しやすい接合部分や、鉄材との取り付け部分に苔やカビなどの発生が見られないか等、普段からの見守りと、早めの手当ては長持ちさせる要点となります。木材は、内部の含水率が約18%〜20%以下の場合は、腐朽菌が活性できないので、腐食いたしません。カビや苔が生える環境であるということは、少なくても今後も腐朽菌にとって十分な湿度環境にあるということになります。その上で、干割れや、節まわりの割れ、ボルトや釘、木ねじ等の頭部のへこみなどが、周囲より長く湿った状態になっている部分や、苔やカビなどの発生が見られる部分等は、晴天が続く日を見計らって、一度その部分のみ、デッキブラシかたわし等と水で洗浄して頂き、完全乾燥させてから、そのまま上塗りをかけて、一度完全に乾燥させる方法がございます。完全乾燥するまでの間は、養生シート等は取らないで、そのままにしておいた方が、急な雨などで慌てないでよいと思います。ただし、これは、内部の腐朽菌を殺さないので、腐朽菌などが干割れから活着して、腐朽が生じる前の処置として、有効な手段となります。一度内部から腐朽が生じたり、極端な場合子実体が見られるような部材に対しましては、早めの部材交換がもっとも有効ですが、材表面のみで初期の場合には、安全性をとるか、耐久性をとるかの選択にもなりますが、表面処理用油状防腐塗料や表面処理用造膜型防腐塗料でその上から上塗りをかけることも可能ではあります。また安全性をとる場合には、高価となりますが洗浄乾燥後ヒートレスグラス等を上塗りすることも可能です。
いずれにしましても、10年メンテナンスフリーという加圧注入材に表面処理用造膜型防腐塗料を塗布した材でも、干割れや節などから、3年から4年で腐朽した事例なども多々ありますように、自然物が相手の場合は種々の条件により影響が異なりますので、一概にこのようにすれば、必ず10年持つということは、なかなか難しく、化学工業製品のように一つの手段ではっきりこれだということは簡単には言えず残念です。
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Q: 今までヨットやカヌーでの実績はありますか?シーカヤックでは使用できますか?
A: 日本では、まだ試したということは聞いておりませんが、カナダでは、製造しているファミリーの先代のお父さんの時から、カヤックや木製ボートなどに、よく使われておりました。
但し、確認しましたら全て湖や川などの淡水用のものだということでした。
せっかくお問い合わせ頂きましたのに、お役に立てず残念ですが、シーカヤックや、ヨットなど海水にて使用するものに、塗布することは、推奨しておりませんとのことで、その旨ご了承いただけましたら幸いです。
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3. Q: 欧米での長期間の実績がある樹種には何がありますか?
A: ホームページの写真に載せておりますのは、ウッドロングエコを作っているカナダのファミリーが撮ったもので、スエーデンとカナダの事例です。樹種はいろいろ使用されているということですが、カナダでは主に、アメリカンシーダー、ダグラスファー、ベイツガ、ベイヒ、ベイヒバなどが多いそうです。
ただし、この地域では日本と褐色腐朽菌の種類が異なることと、また、ほとんどの地域で、1年の間に6ヶ月から9ヶ月は雪があるという温度帯に位置していることや、湿度が低いことなど、そのハザードリスクの条件は、日本の温暖多雨な気候にそのまま当てはまらないと思われます。
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4. Q:12年間の埋杭試験の写真以外のデータはありますか?
A: ホームページに載っております、写真のみとその現物木材が送られてきています。しかしながら、カナダと日本では気候条件と、腐朽菌の種類が違いますので、必ずしも、日本で同じ実績を得られるかどうかは、断言できません。
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5. Q: 針葉樹と、広葉樹ではどんな違いがありますか?
A: カナダでは、効果には、違いはありませんと言っておりますが、日本の場合、腐朽菌の菌種がそれぞれ違いますので、一概には断定できませんが、広葉樹を主に腐朽させる白色腐朽菌に対しての効果のほうが高い結果となっております。
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6. Q :桧やレッドウッドの集製材でデッキを作る際、ウッドロングエコを使用できますか?
A: 結論から申し上げますと、残念ながら本製品を作っているカナダのファミリーは、集成材に塗布することを推奨しておりません。接着剤により効果が一様に得られないためと言っておりました。
日本への輸入に携わっております、私個人といたしましては、集成材も現在では、様々なものがありますので、集成材の含水率が長期間継続的にまたは断続的に19%を超える環境、直接外気にさらされる環境、太陽熱等により長期間断続的に高温になる環境の為の「使用環境1」の基準であれば、接着剤の性能とともに、ある程度の効果は得られるのではないかと考えます。ただし、今まで、日本で屋外で試したことがありませんので、確実に効果を発揮できるとは断言できかねますことをご了承いただければ幸いです。
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7. Q: ウッドログエコ塗布乾燥後に他の木材保護塗料を塗装しても問題は有りませんか?
A: カナダのファミリーは、ウッドロングエコの塗布前や、塗布後に他の塗料を塗ることを推奨しておりませんが、日本でいろいろ試してみますと、相乗効果とまではいきませんが、障害のないもの、また互いに打ち消しあってのらないものなどがありました。又他の着色保護塗料のサンプル色とは、全く違った色になったものもありましたので、何れにしましても、一度、サンプルなどで必ずテストして見られてからお決め頂いた方がよろしいかと思います。
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8. Q: 使用木材について、お尋ね致します。桧材、レッドシーダ-等予算的に高額なので、SPFツーバイ材で木材費をおさえられますが、ウッドロングエコの効果はいかがでしょうか?
A: 先ず第一に、ウッドロングエコにつきましては、防腐剤ではなく、キシラデコールなどと同じ、表面処理用含浸型保護塗料となりますので、ペンキ等のようにはがして塗り替える手間がかかりませんが、加圧注入などの化学的防腐剤に比べて、安全ではありますが、腐朽菌を殺しませんので、木材の耐久性能と効果は比例いたします。
杉の心材が5年前後もつところ、SPFでは、約1年くらいで腐る場合多く見受けられますので、このウッドロングエコを塗布した場合でも、杉材で何も塗らないものに比べて、最大2倍程度長持ちするデータが、褐色腐朽菌ででておりますので、(室内耐候促進試験)日本ではおおむね、屋外でも変わらないものと思われます。
下記にご参考になりそうなURLを挙げましたので、お役に立てれば、幸いです。
木製屋外製品の維持管理について
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/dayori/0404/2.htm
耐久性について
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rsdayo/29821002001.pdf
腐朽について
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rsdayo/18577003001.pdf
木材保存に関してのQ&A
http://www.fpri.asahikawa.hokkaido.jp/rsdayo/10110020216.pdf
外構木材の比較
http://www.akitawood.e-const.jp/shohin-property11.html
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9. Q: デッキのバーゴラ部分ですが、水玉型のまだらに塗装が剥げている感じがします。
A: この写真からだけでは、これだという断定が出来ませんが、写真を見る限りでは確かに白い点は、塗装がのっていない様に見受けられます。
材の種類、塗装時の状態、塗装の直後からの色合いの変化の状態などがわかりませんので、はっきりとは言えませんが、考えられることとしては、
*当初の使用材に、樹脂などが表面に滲出している上に塗布すると、ウッドロングエコを溶かした水が木材に浸透しないうちに乾燥してしまいあとでまだらになったという場合
*以前あったのは、施工前の積み置きしている木材に、なんらかの工事の関係で、他の建設過程で使用した塗料か薬剤のしぶきがかかっていたのを、乾燥してしまっていたので気づかずに施工して、ウッドロングエコを塗布したところ、最初は全部同じ色合いだったのが、半年ほどたってから、しぶきがかかっていたとおりの色抜けが起こって、初めて気づいたというケースがありました。
*製材前に防黴剤へどぶ漬けしている木材がよくありますが、製材後に木どりの関係で、表面に残ってしまい、斑点になったという場合
*製材した後に、一定期間屋外に放置してあった材や、施工後から時間がたって塗布した場合
*塗装後に、何らかの原因で酸性かアルカリ性などのものが付着した場合、特に白く色落ちする場合はアルカリ性のもので還元されたケースがありました。
天然物が成分なので、その他様々な場合があります。なかなか原因がわかるまでには至りませんが、ウッドロングエコの場合は、一度塗装されて、完全に乾燥してしまうと、表面に塗膜を作る造膜型塗料ではありませんので、表面の木ごと擦り取られたり、削られたりしないとはげるということがありません。酸化や還元で色の変化はありますが、この写真を見せていただき限りでは、少なくても、塗装がはげたというより、のっていない状態に見受けられますので、その場合ですと対処が必要かと思われます。
本来ですと、木材の表面全てをウッドロングエコの水溶液が覆っていなくてはなりませんが、約1年間あまり露出したとすると、ウッドロングエコを再度塗布したとしても、色合いが均一になるかどうか、又古い木材に塗布することと同じことになりますので、期待する効果が得られるかどうかに少し疑問が残ります。一度白い斑点の部分に試し塗りの上塗りをされてもわかるかもしれません。
特に写真の下段の上部は、上の雨水などのしたたりが滞留して含水率が高くなりやすかったのか、少し痛んできているように見受けられますがそうでしょうか。この部分のような場合は、既に腐朽菌が入っている可能性もありますので、安全、安心をとるか、多少毒性があっても木材の耐久性をとるかになりますが、後者をとるとすれば、含浸型の油状防腐剤等を使用して上塗りすることも一方法ではあります。
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10、デッキの水拭き掃除で色が変わった部分ができたのですが。
A: お写真のデッキの樹種、詳細の状態などがまだはっきりと解りませんので、一般的な原因をお答えさせていただきます。まず、ウッドロングエコは、着色用塗料ではありませんので、本品を塗布した場合に、木材表面の色が変わる理由は、木材表面に天然物の大きなしみができたという状態です。ちょうど白木にコーヒーやお茶などをこぼしたまま放置しておくとしみができるのと同じ原理です。その後、雨などの水分や、乾燥、紫外線などの太陽光の照射などにより木材表面の色が次第に銀白色に変化していきます。特に木材表面に紫外線があたりますと、木材中のリグニンが低分子化していき、表面の細胞が溶脱していき、セルロースだけが残っていく状態となります。これは、年輪の木目の薄い色の部分、早材に顕著に現れますのでだんだんに晩材の濃い色の木目の部分が残っって目立つようになっていきます。ウッドロング−Ecoを塗布いたしますと、成分の一つである鉄分が木材表面に残留し、金属的な光沢を形作る原因となりますが、通常は上記の紫外線によるリグニンの光劣化が起こる部分は、表面のほんの薄い部分のみですので、成分はその内部にも浸透しております。但し極端に水をはじくような樹脂分が多い樹種、高熱処理した木材で、水分が浸透しにくい樹種等の場合は、面積あたりの塗布後吸収量が極端に少なくなりますので、当てはまりません。又、心材か辺材かによっても違いがあるように思います。お写真の場合、雑巾での水ぶきをした面と、して無い面を指で触った場合、して無い面がざらついていて、水ぶきした面の方は、割と平滑な手触りになっていないでしょうか。もしそうだとしますと、水ぶきにより、溶脱しているリグニンとほこり、細かいちり等が結合したものを汚れとして落としていったことになります。溶脱しているリグニンの下には、紫外線があたっていませんので、まだ銀白色化がおこってきていません。その結果、お写真のように木材の色目が出てきているように推察されます。
「対処法について」
雑巾で水ぶきした時に、雑巾には真っ黒い垢みたいな汚れのみが着いていましたでしょうか。あるいは汚れの後に、木材のかすのようなものがはがれてきましたでしょうか。前者の場合ですと、リグニンと汚れが結合したものだけですので、そのまましておかれても、樹種、使用部位、気候などにより違いがありますが、数ヶ月から数年で又銀白色化していきます。後者の場合ですと、塗布の際に十分な吸収量が得られていなかったということですので、再塗布をお勧めいたします。
又、お写真を拝見させていただいた際に、気づいたのですがビスが木材表面より深く入ってしまっているようです。おそらく素足で歩いても怪我をしないようにとの配慮だと思いますが、これが木を腐らせていく大敵になる場合が非常に多くあります。ビス周辺に色が変わっているところなどは、無かったでしょうか。このビス穴は、露出した木口面に水のたまる穴を提供しますので、ビス周辺に腐朽菌やコケなどが活着して、菌糸を内部に浸透させる条件が整いやすくなります。お写真以外の他の部分も同じようでしたら、施工後2年あまりとお聞きしましたので、今後も耐久性能を維持する場合には、一度ホースとデッキブラシなどで表面をよく洗い、(多分これで、水ぶきしたところが目立たなくなると思います。)完全に乾燥した後、再度塗布することをお勧めいたします。今度は塗布後にビスの穴の部分
に、エポキシ樹脂やシリコンなどの接着系樹脂でコーキングをしておかれるとよいと思います。ウッドロング−Ecoを再塗布後は、一度完全に乾燥するまで、水分を当てないようにしてください。
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